主演:チソン、イ・セヨン 全16話 2019年 メディカルヒューマンドラマ
原作は日本でも2019年にドラマ化された久坂部羊の小説「神の手」。
韓国版では医師たちの愛や友情、親子愛などを盛り込んだ韓国らしいヒューマンドラマに仕上がっています。
天才外科や心臓外科の多い韓国メディカルドラマで、史上初めて痛みにスポットを当て、ペインクリニック科で働く医師たちの活躍を描いた本格メディカルドラマです。
医療のあり方を考えさせられると同時に、つらい痛みを取り除くことに誠心誠意を尽くす医師たちの姿を友情や恋愛を織り込んで作られています。
麻酔科医が手術時の麻酔のテクニックや薬剤に関する知識を応用して、 痛みに対する専門的な治療を施す「痛み専門の診療所」といわれるペインクリニックが舞台で、原因不明の激痛や、慢性の痛みに苦しむ患者たちのエピソードを盛り込み、その痛みの原因をヨハンと後輩医師たちが探る過程が描がれている。
チャ・ヨハンは先天性無痛症*という病気で、痛みを感じない代わりに、けがをしたり、骨を折ったりしてもそれに気づかないため、破傷風を起こし、それが悪化して肺炎を起こし死ぬこともある。
ヨハンは別の病院に通って、どこも悪いところがないか定期的に診断をうけながら、無痛症であることを隠しながら医者を続けている。
この病気の患者は大抵が10歳まで生きられないといわれている。
*日本にこの病気の患者が多く、現在100人ほど存在するとのこと。
ある時、同じ病気を持つ少年が病院に運ばれ入院するが、生きる気力を失っていた。そんな少年に、自分も同じ病気であることを打ち明け、自分もヨハンのようになりたいと、生きる勇気を持つ。
少年は退院して、学校に戻り気を付けて暮らしていたが、なぐっても痛がらないことを知っているいじめっ子達にリンチに会い、再度入院することになり亡くなってしまった。
ヨハンはこのことに心をいためていた。
また、カン・シヨンは、ハンセン病院のインターンで、父が理事長で母が麻酔科の科長兼手術室長、叔母は教授、そして後で妹も医師として働くことになる。
シヨンはある日、交通事故に遭った父を手術で救えなかったことで、医師としての自信を失い、ハンセン病院を去り、韓国を離れようとしていたが、そんな時、知人の頼みで刑務所で医療スタッフのアルバイトをすることになり、服役囚チャ・ヨハン(チソン)と出会う。
医師だったヨハンは3年前に患者を安楽死させた罪で服役していたのだった。服役前には、患者を10秒見ただけで患者の状態を把握するため「ドクター10秒」という異名を持ち、その手腕と情熱で後輩医師たちに多大な影響を与える天才医師として、絶大なるカリスマ性を発揮していた。そんな天才的な腕を持つヨハンの指示によって患者を救ったシヨンは、再び医師の道を歩むことを決意する。
刑務所でのアルバイト期間を終えたシヨンは、ハンセ病院のペインクリニック科のレジデントとして復帰する。そして、そこで、出所後に教授として働くヨハンと再会する。
また、看護師のウンジョンは、自分の娘の命を奪った犯人が入院中、ひどく苦しむのを見て、犯人を簡単に死なせてしまったヨハンを恨み、尊厳死に反対する弁護士ソン・ソッキ(イ・ギュヒョン)と共謀して隠れてメディアに明かしヨハンを陥れようとする。
一方、患者を必死に救うヨハンの姿を知るシヨンは、ヨハンが患者を安楽死させた事実を知るが、病院に運ばれて来る患者たちを心から心配し、助けようとするヨハンを見て、だんだん惹かれていく。
ヨハンに思いを告白してサポートしたいというシヨンだが、愛する人を巻き込むことへの葛藤からヨハンは拒絶する。
しかし学会中に倒れてしまったところをシヨンの機転で助けられたことからシヨンのサポートを受けることを決める。公私ともに支えてくれるシヨンに安らぎを覚えるヨハンだが二人の愛には様々な困難が生じる。
また、姉のシヨンにコンプレックスと不信感を抱くミレ、必須課程のため仕方なくヨハンのチームに入ったホ・ジュン、医師をブランドのように思っているウォニ。癖の強い3人のレジデントもヨハンの背中を見て成長していく。
最初こそ患者の病状の判断をめぐってヨハンと対立するも、その手腕にほれ込んで同じ病院に移籍したユジュンは、ヨハンとレジデントたちの潤滑油として大活躍する。彼らが一丸となって患者の痛みの原因を突き止め、痛みから解放された患者の姿を見ることで医師としてのやりがいと責任感を感じるようになる。
ヨハンはシヨンを愛しながらも、先天性無痛症について深く研究するために、アメリカの研究所に応募し受け入れられたため、シヨンを残しアメリカに発つ。
アメリカに発ってから毎日のように連絡があったヨハンから突然連絡が途絶える。ヨハンの同僚が電話に出るが、現在重要なプロジェクトに入っており忙しいので、プロジェクトが終わり次第連絡させると言われ電話は切れる。
シヨンは何度も電話をするが、それから3年間が何の連絡もないまま過ぎた。
ある日、SNSで無痛症患者のヨハンが参加した研究で強い鎮痛効果を持つ薬物の研究が加速化したというニュースを見つける。そして、そこには同僚と一緒に写るヨハンの姿があった。だがヨハンからの連絡はまだないまま。シヨンはとても落ち込む。
それから3年、シヨンは立派なフェローになっていたそして病院えヨハンを見つける。
この3年の間ヨハンに何があったのか、2人の愛はどうなるのか、とても後味の良い結末でした。
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イ・セヨン(シヨン)は有名な天才子役出身
ヒロイン・シヨンを演じるのは、「宮廷女官チャングムの誓い」でクミョンの少女時代を演じて天才子役と名を馳せたイ・セヨン。
いつのまにか美しく成長した彼女は子役時代から培った演技力を今まさに開花させている。チソンとイ・セヨンの実年齢の差は15歳あるが、シヨンがヨハンを尊敬し、ヨハンはシヨンを有能で誠実な弟子として認め、2人の師弟愛がやがて愛情に変わっていく過程は実に自然。ひたむきさが感じられるイ・セヨンの演技と、彼女を受け入れることに躊躇するチソンの戸惑いの演技が感情移入を誘い、2人のプラトニックなラブストーリーにも心を揺さぶられる。