まずは基本のハングル(韓国文字)を紹介します。
漢字からハングルへ
朝鮮時代の中期まではまだ漢字が一般的に使われていました。これは朝鮮の貴族である両班(りゃんばん)や一部の金持ちたちだけが字を読み、物を書き、それ以外の人たちはこの両班たちに搾取されることを良しとしていたためです。
これをよしとしない朝鮮第4代の世宗大王が、学者とともに庶民でもわかるような文字を作成しまし、大々的に公布しましたが、一般的に使われるようになるのは1894年に、第26代王・高宗(コジョン)の勅令によってハングルがようやく国字化されてからです。それでも、しばらくは漢字とハングルが混ぜてつかわれていたようです。
今のハングルはこの頃のものよりより簡素化したものです。
ハングルは母音と子音から構成されます。
母音字母(모음):
- あ (a) ㅏ-아
- や (ya) ㅑ-야
- う (eo) ㅓ-어
- よ (yeo) ㅕ-여
- お (o) ㅗ-오
- よ (yo) ㅛ-요
- う (u) ㅜ-우
- ゆ (yu) ㅠ-유
- う (eu) ㅡ-으
- い (i)ㅣ-이
*ハングルの母音は日本語の「あいうえお」のように表示するためには子音のㅇ – (無音)をはじめに付ける必要があります。
子音:
- ㄱ (k)
- ㄴ (n)
- ㄷ (t)
- ㄹ (r)
- ㅁ (m)
- ㅂ (p)
- ㅅ (s)
- ㅇ – (無音*)
- ㅈ – (j)
- ㅊ- (chi)
- ㅋ -(g)
- ㅌ – (d)
- ㅍ – (p)
- ㅎ – (h)
*日本語の母音のように使用する場合これを必ず前に入れる
これ以外にも さらに、子音と母音を組み合わせて作られる子音複合字もありますが、初級の段階ではまずはきほんのハングルを覚えておくと後で楽になります。
日本人にとって他の人種より強みが多い韓国語の習得
日本語と韓国はハングル文字を除くとよく似ています。これは日本にまだ文字がない時代にさかのぼって、最初に入って聞いたのが朝鮮半島からの渡来人から伝えられた文法と中国から朝鮮半島を経て日本に渡った漢字、プラス明治以降日本が朝鮮半島を占領していた時代に、日本から渡った日本語が朝鮮で新化したり、もう日本では使われていない言葉をそのまま使ったりしているなど、様々な理由でよく似た言語になっていったためです。
また最近では、字幕の付いた韓国のドラマが簡単にテレビで視られるため、よく使われるフレーズを知らない間に覚えていたといったこともあります。
そのため、日本人には他国の人々より多くの韓国語を早く習得できるという強みがあります。
1.韓国語と日本語の文法はよく似ている
語順の類似性
- 語順の類似性: 日本語と韓国語は、基本的な語順が主語-目的語-動詞(SOV)であるという共通点があります。
- 助詞の使用: 日本語と韓国語では、助詞が文法上重要な役割を果たします。助詞は、単語の関係や文の意味を明確にするために使用されます。両言語で一部の助詞の機能や使い方が類似しており、「は」や「を」などの助詞が、両言語で同様の使い方をされます。
- 修飾語の位置: 日本語と韓国語では、名詞の前に修飾語が置かれるという類似点があります。例えば、「きれいな花」のように表現されます。修飾語は形容詞や形容動詞、他の名詞などがあります。
- 敬語の使用: 日本語と韓国語では、相手の敬意や尊敬を示すために敬語が使用されます。両言語で敬語の使い方や表現方法には類似点があります。一部の表現や語彙が共通しているため、日本語を学ぶ韓国人や韓国語を学ぶ日本人は、敬語の学習において互いに利点を持つことができます。
これらの類似点により、日本語を話す人が韓国語を学びやすくなったり、韓国語を話す人が日本語を学びやすくなったりする場合があります。ただし、文法や語彙の面では、日本語と韓国語は異なる言語系統に属しており、一部の違いも存在します。言語を習得する際には、それぞれの言語の特徴を理解し、個別に学習する必要があります。