主演:チェ・ジニョク、パク・ジュヒョン 全12話 2020年 アクションコメディー
ある日、山のようなゴミ捨て場で目を覚めた男。
立ち上がってタバコを吸うと煙がお腹から出てきます。
身体の感覚もなく、声を出そうとするが、オオカミの唸り声のような声しか出ません。
落ちていた割れた鏡で顔を見ると、ひどい状態になっていたのです。
そして動作もノロノロ歩きしかできません。
男は生前の記憶を何ひとつ思い出せず、山の中をさまよって気を失っている間に生きたウサギを食べてしまった自分が、ゾンビとしてよみがえったことに気づいて絶望しますが、やがて人間として生きることを決意します。
人間に噛みつかないように自制しながら暮らすために、ランニングマシーンやボイストレーニングなど、過酷なトレーニングをし、歩き方を矯正したり、また顔の傷やゾンビ顔を隠すために、BBクリームを塗ったり、死臭をごまかすために香水を使ったりといった涙ぐましい努力を見せていきます。
2年がたち、猛特訓の甲斐あって、人間らしい歩き方や話し方を取り戻したゾンビは、山奥をさまよっていると、偶然、探偵のキム・ムヨンという男が殺されるところを目撃します。
男が死ぬ間際にカギを受け取ったゾンビは、殺された男を土に埋めて葬った後、男の持ち物を持って山を下り、キム・ムヨンになりすまして生きていこうと決心します。
一方、時事番組「追跡70分」の放送作家ソンジは、女児誘拐殺人事件、通称「サンタ事件」の犯人を見つけるため日々奔走していました。
しかし正義感が強すぎるあまり、取材先で暴力沙汰を起こしては示談金や治療費を支払う日々を送っていました。
ある日、ソンジは子どもたちに囲まれていたムヨンを変質者だと誤解し、後頭部にヘルメットをぶつけて気絶させてしまいます。
ソンジはムヨンが要求した高額の示談金を支払う代わりに、助手として探偵事務所で働き始めます。
努力を重ねて人間らしさを身につけたムヨンは、人間に対する食欲を抑え、生の鶏肉やモツ肉を食べて飢えをしのいでいました。
そんなある日、ソンジがインタビューした“サンタ事件”の目撃者が何者かに襲われてしまいます。
ソンジは自分を責めてヤケ酒し泥酔状態になったソンジを新興宗教の信者たちが連れ去ろうとします。
ソンジを助けたムヨンは、異常に敏感になった嗅覚を生かして探偵の仕事をこなす傍ら、「サンタ事件」に巻き込まれていきます。
自分の過去を知る悪役たちと対決する際にはキレのあるアクションも披露するシリアスなアクションシーンも多い反面、大好物の鳥やホルモンに目を輝かせガツガツ食べるシーンなどコミカルなシーンもあり、いままでにないチェ・ジュニョクの違った魅力が満載されています。
ゾンビを倒すために闘う人間たちの姿ではなく、ゾンビ目線から見た世の中を描き出したこの作品は、2020 KBS芸能大賞でベストチャレンジ賞を受賞しました。
ミステリー作品としての完成度も高く、ムヨンはなぜ死んだのか? そして、なぜゾンビとしてよみがえったのかが次々と明らかになっていく過程からは目が離せません。