韓流ドラマ、韓国コスメ、ソウル旅行情報、韓国の歴史や韓国語など韓流に関する様々な事柄やグッズを紹介します。

第25代王「哲宗」(チョルジョン)1849~1863年ー朝鮮王朝の国王

朝鮮王朝直系の男子が途絶えた

第24代王憲宗が子をもたず、22歳の若さで亡くなりましたが、王族に6親等以内の男子がいなかったため、朝鮮王朝の直系男子はここで途絶えました。

 

権力抗争で流刑者から宮中に

そのころ宮廷では第23代王の純祖の王妃・純元王后を擁する安東金氏と、第24代王憲宗の母である神貞(シンジョン)王后趙氏の一族、豊壤趙氏による権力争いが起こっていました。

第23代王の純祖の王妃・純元王后は、24代王の憲宗が後嗣のないまま死去すると、自分の親戚筋の安東金氏の権力を維持するため、第24代王憲宗母である神貞(シンジョン)王后趙氏の一族、豊壤趙氏によって彼らに従順な王位を冊封する前に急遽、江華島に流刑にされていた憲宗の第24代憲宗王の叔父にあたる三男元範(ウォンボム)を呼び戻し、宮廷に呼び入れて、徳完君(後の哲宗)を冊封しました。

 

徳完君は、第22代王の正祖(イ・サン)の異母弟の恩彦君の庶子である全渓大院君*と龍城府大夫人廉氏の三男でした。

元々恩彦君には息子が3人いましたが、2人の息子は第24代憲宗王の時代に権力争いの犠牲となり、全渓大院君*だけが生き残りました。

  *全渓大院君は恩彦君の庶子だったため、王族ではなかった。(爵位がなかった)

また全渓大院君にも3人の息子がいましたが、長男は自身がおこした事件のため処刑され、そのため次男の永平君と三男元範(ウォンボム)らは連座して江華島へ流されて不遇な日々を過ごしていました。

その三男ウォンボムが突然徳完君(後の哲宗)に冊封されたのです。

 

荘献世子━┳22代正祖(イ・サン)23代純祖━孝明世子(翼宗)━24代憲宗
     ┃
     ┣恩彦君(庶子)━全渓大院君━25代哲宗
     ┃
     ┗恩信君(庶子)━南延君*(養子)━興宣大院君 ━26代高宗

        *16代仁祖の三男インピョン大君

 

 

第25代王への階段

こうして、安東金氏は豊壤趙氏を出し抜いて、1849年6月9日、第24代憲宗王死去からたったの3日後には昌徳宮において19歳で哲宗を朝鮮国王にさせました。

この時安東金氏は急いで自分達の人形にできる王を擁立するために、2つの規則を破って、哲宗を朝鮮国王にさせました。

 

1つ目は、が王族ではなかったこと(全渓大院君が恩彦君の庶子であったため、爵位がありませんでした)

2つめは哲宗が第24代憲宗王の7親等の叔父となることです。規則では、新しい王は前王より目上の血筋であってはならないのです。

全渓大院君は、哲宗の即位後に大院君となり、また次男の永平君も都に帰り、全渓大院君の家督を継ぎました。

哲宗は安東金氏の操り人形?

大妃となった純元王后は、哲宗が政治に対する知識がなく年も若いという理由で垂簾聴政(すいれんちょうせい*)を始めました。

垂簾聴政とは、皇帝が幼い時など、直接政治が行えない場合に、皇太后などが変わりに政治を行うことで、「垂簾」は簾をおろすこと、「聴政」は政治を行うこと。
多くの家臣に直接向き合うことを差し控えて、座席の前に簾をおろしていたということからそう呼ばれる。

 

哲宗はその3年後に親政を始めましたが、すでに一切の権力は勢道政治勢力である安東金氏に握られていました。

安東金氏一派の権力濫用により、国内では貪官汚吏が跋扈し、三政(田政・軍政・還穀)は大いに乱れました。

また洪水と日照り、火事などの災害も頻発したことから、民衆の間では飢餓が蔓延しました。このため民衆の反乱が全国的な規模で起きましたが、朝廷では反乱が起きる根本的な原因を知ろうともせず、哲宗にも安東金氏の勢力を抑え対抗する力がありませんでした。

そのため、苦痛で喘ぐ民衆の間では、すべての人が天であると主唱する東学思想が急速な勢いで広まり、また、キリストの前での平等を唱えるカトリックも、一般民衆のみならず両班層や宮女の中にも浸透していきました。

 

哲宗王の時代と末路

哲宗自身は、民心に気を配り、カトリックに対しても寛大でしたが、哲宗の権力を支持していた南人が、執権層の老論僻派によるカトリック弾圧で粛清され、哲宗自身も安東金氏による勢道政治の中では自分の政治権力を行使できないということを悟り、酒色にふけるようになってしまいました。

5人の男児をもうけましたが、すべて夭折しており、1863年12月、在位14年、33歳(数え年)で後継者のないまま死去しました。

 

ここでもまた王の血が途絶えてしまいました。

韓国歴史ドラマ「風と雲と雨」には着色はありますが哲宗がどのように王位についたのかが描かれています。

また、2020年の韓国ドラマ哲仁王后~俺がクイーン!?~の王様です。ドラマの中の王も哲宗ですが、本物とはずいぶん違って描かれています。。。

 

歴代の王と関連するドラマ⇒クリック